路得子さんはアメリカ人宣教師のご主人と3人の娘さんと一緒に来られていた。
路得子さんの歌に合わせて、ご主人がスライドを操作される中に、私の心臓をぐいっと鷲づかみにした一枚の写真があった。
青年の眼差し。カメラを向けられて、あんな眼差しができる人がこの世にいるとは思われないような、透き通った、凛とした清廉な眼差しだった。
何が本物で何が偽物か一目で見抜くような眼差し。それでいて、不思議に暖かい眼差しだった。見えないものを見つめ、見極めようとしているようにも思える。
彼の顔をじっと見つめていると、彼の眼差しの向こう側が透き通って見えるような、そんな錯覚を覚えるほどの透徹した眼差し。
だから、見つめられると恐い。だけど、見つめてほしいような・・・。
その眼差しに、自分ではまだ気がついていない醜い心の奥底を照らし出して教えて欲しい、そんな誘惑にかられそうな眼差しだった。
神さまの眼差しに思えた。彼の眼差しの向こう側に神さまがいらっしゃるような気がした。
そんな眼差しだった。