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難解なヨブ記の解説は、鎌野牧師の『3分間のグッドニュース』(いのちのことば社)がすばらしい。
今日の10章の解説を一部引用させていただく。
ヨブは自分の全財産が奪われ、10人の子どもたちがみんな殺されるというひどい災難にあいました。さらに、からだ中にできものができて、死ぬほどかゆくて痛いのですが、それでも死ぬことができませんでした。奥さんも自分のもとを去っていきました。古今東西の歴史を見ても、これほどの苦難を一人で背負い込んだ人物は、他に誰もいないでしょう。
「こんな苦しみにあうのは、ヨブが隠れたところで大きな罪を犯したために神の裁きを受けているのだ」というのが、エリファズやビルダデという友人たちの見方でした。ヨブは彼らに反論し、「そんなことはありえない」と必死に訴えているのです。「人間は表面しか見ないからそう思うかもしれないが、私の肉体を造り、私のすべてをご存じの神様ならわかってくださるはずだ」と、ヨブは自分の不平も不満も、ありのままで神様にぶつけるのでした。
ヨブの偉大さはここにあります。普通なら、ヨブの妻と同様に、「こんなひどいことをする神様なんか、呪って死んでしまおう」と思うのが当然でしょう。でもヨブはあくまで神様にむかっていきます。どんなに理解できないひどいことがおこっても、彼は神から離れようとしないのです。
私たちも苦難や災難にあうことがあるでしょう。でもそれはヨブが経験した以上のひどい苦しみでしょうか。あれだけの苦難を経験したヨブ。しかもその原因となる理由は何もなかったヨブ。そのヨブがそれでも神から離れようとしなかったのです。あなたが経験する苦難がどれほど大きく感じられても、神様はあなたを捨てておられるのではありません。今、ヨブのように、ありのままで祈る者となりましょう。