一昨日の順位戦第8局の対局で、藤井聡太7段と師匠の杉本7段が勝ったことにより、将棋関連ネットに「鬼勝負」と言う言葉が踊り出た。
この言葉は、日本国語大辞典などには収録されていないから、比較的新しい言葉なのだろうか?
時事用語事典によれば、「負けると後がない、大事な取組や試合のこと」で、将棋関係でよく使われる言葉のようだ。
2013年9月7日、日本将棋連盟の三段リーグ最終日最終局で、連盟のプロ棋士養成機関「奨励会」に所属する宮本広志三段と鈴木肇三段(いずれも当時)の両者が、勝てば奨励会残留、負ければ退会の「鬼勝負」に挑み、話題となった。
C-1組からB-2組への昇級は2名で、同成績の場合は全勝以外は、順位によって頭ハネされると言うから過酷。
8局目で、全勝が聡太くんと杉本師匠で1敗は近藤5段と船江6段に絞られ、この4名が2/5に直接同時対決と言う信じられないような年間スケジュールになっている。( )内は順位
(07)杉本師匠→8勝0敗 VS(14)船江恒平→7勝1敗
(31)藤井聡太→8勝0敗 VS(06)近藤誠也→7勝1敗
残り2局だから、4棋士の中で順位が2番目の師匠は仮に1敗しても昇級の目はあるが、順位の低い聡太くんは1敗でもすると昇級は厳しくなる可能性がある。
もし、聡太くんと師匠が第9局に同時に勝てば
(07)杉本師匠→9勝0敗
(31)藤井聡太→9勝0敗
---------------------------昇級ライン
(06)近藤誠也→7勝2敗
(14)船江恒平→7勝2敗
となり、残り1局を待たずに師弟同時昇級が確定する。
仮に聡太くんが勝っても師匠が負ければ
(31)藤井聡太→9勝0敗
(07)杉本師匠→8勝1敗
(14)船江恒平→8勝1敗
(06)近藤誠也→7勝2敗
最終局で、聡太くんより順位の高い1敗が2名も生き残り、
仮に2人とも負ければ、最終局をこの順位で迎えることになり、
(06)近藤誠也→8勝1敗
(07)杉本師匠→8勝1敗
(14)船江恒平→8勝1敗
(31)藤井聡太→8勝1敗
最終局の結果次第では、順位の関係で師匠が聡太くんの壁になる可能性も出てくるのだ。(-_-;)
2/5は、聡太くんと師匠は互いに援護射撃しあうような関係にあるともいえる。
聡太くんには、2/5の順位戦は中原名人の記録を抜いてデビュー19連勝の新記録もかかっているから、まさに2/5に鬼勝負を強いられるのは聡太くんだ。(-_-;)
全勝すれば無条件に昇級できるから、聡太くんは他力本願ではなくて、最初から「全勝で昇級」を目指していると思う。
この鬼勝負の前の1/20に、朝日杯オープン戦本戦の初戦が1年前のNHK杯で敗れた稲葉8段との対局。
トーナメント方式の前年度覇者として、聡太くんはこちらも鬼勝負。
応援する方も胃が痛くなりそうな将棋の年度末が始まる。