先週義妹が来た時に、「自己注射によるSLE治療をしてみないか」と主治医に勧められていると言った。
SLEに対する知識を深めより良い予後を目指すために膠原病友の会への入会を勧めたが、「私はお義姉さんのように病気にビクビクしていないから必要ない」と反論されて(-_-;)、友の会にも入らず、病気管理や治療も医者任せで、SLEに関する知識は33年たった今もほとんど無いのではないかと私は思っている。(((^^;)
33年間の間には紆余曲折があって、20年前ぐらいに義妹はSLEを悪化させ、腎臓が悪くなって皮膚科で長期入院したが思わしくないので、私が入院治療を受けた大学病院の内科に転院を勧めた。
そこで腎生研をしているが、彼女がループス腎炎の何型なのか、私は知らない。彼女自身が結果を知らないからだ。おそらくステロイド60mg/dayか40㎎/dayで再治療を開始したのだと思うが、その後、3回ほど入退院を繰り返し、
いつの間にか義妹と私のステロイド維持量が逆転した。
1年前に義妹は「お義姉さんは7mg/dayだから、私もステロイドを減量したい」と主治医(私の入院時に大学病院に在籍しておられたので、私も33年前に会ったことがあり、先生も私をご存じ)に言ったそうだ。
が、結局、減量はできずに1年近くたって、自己注射によるSLE治療を勧められたとはどういう意味なの?と義妹に聞いても例によって要領を得ないが、自己注射治療を始める際には、一時的に入院してアレルギーがでないかどうかをチェックする必要があること、保険適応になっていること、その治療をすればステロイド減量ができることなどを話し、お義姉さんもK先生(私の主治医)に頼んでもみたら~と勧めてくれた。
糖尿病のインシュリン注射のようなSLE注射治療法ができたなんて、初耳だったので、ネットで調べてみたら、「ベンリスタ皮下注オートインジェクター」のことだった。
SLEの新たな治療薬にベリムマブ(ベンリスタ)があるが、これがアメリカのFDAに50年ぶりにSLE薬剤として認められ、昨年日本でも保険適用されたというニュースが全国膠原病友の会関西ブロック「明日への道 №74」の大阪版2018.5号にも掲載(藤井隆夫先生・和歌山県立医科大学チウマチ・膠原病科学講座教授『膠原病の治療薬~その効能と副作用について』)されている。
義妹が言っていたのはこの「ベリムマブの皮下注射」を患者自身が家庭で実施するいう治療法だったのだとわかった。
ただし、これの適応は「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーゼス(SLE)」という限定つき。
私も義妹も「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーゼス(SLE)」ではないような気がするのに、なぜ義妹がこの治療法を勧められたのだろうか?と疑問だったが、同じ号にステロイド維持量について次のように掲載されているのに気がついた。
プレドニン(ステロイド)の維持量は従来は10mg以下が望ましいとされてきたが、世界的には7.5mgを基準にしようということで、理想的には7.5mg以下にしたいということです。(藤井隆夫先生・和歌山県立医科大学チウマチ・膠原病科学講座教授『膠原病の治療薬~その効能と副作用について』)
この見直しで、義妹は「既存治療ではステロイド維持量を7.5mg/dayに減量できない」ということで適応になったのではないだろうかと思った。
しかし、今となって思えば「7.5mgを切った」というのが大きかったんだろうなあ・・・と痛感している。
新しい治療薬でステロイドを劇的に減量できるなら嬉しいが、できれば新しい治療薬を使わないで、少しずつ、少しずつ減量できればと願っている。