『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。』というのは、ドイツの鉄血宰相ビスマルクが残した名言だという。
元々の彼の言葉の直訳は「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。」で、「他人の経験」が「歴史」をさしているのだという。
私は、人間の本質というものはそう簡単には変わらない、と思っている。
そして人間の本質は、過去の歴史の中に見え隠れしているから、「歴史」を直視して、そこから人間の本質を学んで現実に対処すべきだと思っている。
歴史は「勝者の歴史」に過ぎないが、人間が繰り返す愚かな過ちは古今東西変わりないことを歴史は教えてくれる。歴史の本を読み、記録映像を観ることで、そのことに気がつく。
You Tube に「黙示録 カラー 第二次世界大戦 」(日本語)という6つの動画がある。
どうも元々はフランスで制作されたドキュメンタリーで、音楽は日本のKenji Kawaiという人が作曲したもののようだ。
このドキュメンタリーは、戦争特派員、兵士、抵抗戦闘機、民間人などが撮影した「実際の戦争映像のみから構成」されていて、カラー映像であるのが特徴だ。
最初はベルギーやスイスのフランス語圏で放送され、その後、フランス・アメリカ・イギリス・カナダ・オランダ・ポーランド・オーストラリア・・・・と、多くの国々で自国語に翻訳して放送されたようだ。だから、日本語版もあるのだと思う。
日本では、いつ、何チャンネルで放送されたのか、私は知らないが、こうして見逃した者もYou Tube で観れるのはありがたいことだ。
最初、日本語版があるのを知らなくて、英語版を「自動翻訳日本語字幕に設定」して観たが(*Part6は、自動翻訳日本語字幕設定ができない動画)、拙い雑な翻訳なのでよくわからないところが多かった。
改めて、日本語版で観ると映像の意味がよくわかる。
黙示録 カラー 第二次世界大戦 「ヒトラーのヨーロッパ侵攻」
黙示録 カラー 第二次世界大戦 「ドイツの電撃戦」
黙示録 カラー 第二次世界大戦 「大量虐殺」
黙示録 カラー 第二次世界大戦 「真珠湾攻撃」
黙示録 カラー 第二次世界大戦 「上陸作戦」
これらの動画を観ると、聖書の「伝道者の書」の次の言葉を思い出す。
昔あったものは、これからもあり、
昔起こったことは、これからも起こる。
日の下に新しいものは一つもない。(1章9節)
恥ずかしい話だが、上の動画を観るまで、敗戦直後に、どこで誰が降伏文書に署名したのかすら、知らなかった。
そして余談だが、この画面を観て、驚いたのは、日本の全権大使がモーニングコートを着て現れたことだった。(((^^;)
欧米社会ではこれが正装なのかもしれないが、これはアジア人である日本人の当時の正装ではないのではないかと感じたからだ。
吉田首相がサンフランシスコ講和条約に署名している写真は教科書に掲載されていたから記憶にある。確か、彼もモーニングコートだったが、高校生だった当時は別に何とも思わなかった。
降伏文書に署名するというのは国際的な行為だから、欧米社会の伝統に従うのではなく、堂々と日本人の伝統的正装で現れてほしかったと、歳を重ねた今はそう思う。
よくわからないけれど、中東やアフリカ諸国なら、この場でも堂々と民族衣装で登場するだろうと思った。フィリピンやベトナムなどのアジア諸国も。韓国や中国はどうかな?西欧化の度合いによって異なるのだろうか?それとも、アイデンティティの問題?