昨日の新聞に、がん研が「がんの10年生存率」を発表するという記事が掲載されていた。
新聞には、部位別・進行度別の「10年生存率」の表が掲載されていた。
がんの全症例の登録患者全体の10年生存率が58%で、前回調査より0.3ポイント上昇したと書いてある。さらにその後の治療の進歩で、今がんになった人はさらに生存率が上がっていると思われるとも書いてあった。
58%は全体の平均値・中間値(?)だから、高齢者の生存率がかなり足を引っ張っているのではないかという気がした。
新聞に掲載されていた数字は、下の画面で、「診断年:2000~2003年、部位:全部位、臨床病気:全病期、年齢:全年齢、性別:男女計、生存率:10年生存率」に設定して、検索をかけると得られた。
上記の表の部分を拡大した
「診断年:2000~2003年、部位:全部位、臨床病気:全病期、年齢:全年齢、性別:男女計、生存率:10年生存率」の数字データ新聞に載っていたのは赤い囲みの数字だった。
*相対生存率とは、以下の説明。通常は相対生存率を用いるそうだ。
データの年齢層の刻みは、15歳から29歳、30歳から39歳、40歳から49歳、50歳から59歳、60歳から69歳、70歳から79歳、80歳から94歳の7つになっている。各年層ごとの表データは以下の通り。
<15歳から29歳>
<30歳から39歳>
<50歳から59歳>
<60歳から69歳>
<70歳から79歳>
<80歳から94歳>
このまま眺めていても興味深いが、上記で得られた数字を、わかりやすいように簡単な表にまとめてみた。
これをみると、全体値58.5%というのは、50-59歳と60-69歳の境目に位置することがわかる。これは10年生存率だけでなく、どの生存率でも共通だ。
さらに一番生存率が高いのは、30-39歳の働き盛りの年齢層だということがわかる。
これが、がんに無知だった私には意外だった。
というのは、がん細胞の活動性は生命活動が活発な働き盛りの年齢層で一番盛んだと思っていたから、その年齢層の生存率は、50-59歳や60-69歳の年齢層よりも低いのだと思い込んでいたからだ。(((^^;)
30-39歳を初めとして若い層で生存率が高いということは、もちろんがんの種類にもよるだろうけれど、一番大きな要因は「治療に耐えられる体力の差」ではないかと思った。
抗がん剤や放射線、手術などの過酷な治療に耐えられるだけの体力・気力がこの年齢層にはあるから、生存率が高いのではないかと感じた。
もちろん、若い世代にはがん以外の余病も少ないだろう。これが高齢者になるほど、余病を多く抱え込んでいるので、きついがん治療に耐えられるだけの余力・気力がなく、がん治療を始めても余病が悪化したり、余病を併発したりして亡くなるケースが多いのだろう。だから、高齢者になるほど、実測生存率と相対生存率の差が大きくなる。
だからこそ、国は働き方の上でも財政的にも、働く世代のがん患者を支援するシステムを早急に確立する必要があるのではないかと強く感じた。
データ検索をすると、下の方に「アンケート」に協力お願いします、と表示されるので、感謝の意をこめて回答して送信したら、(^_-)-☆