4、5日前だったか、1週間前だったか、とにかく最近の朝のNHKニュースを見ていた時のこと。
朝食、夫のお弁当作りも終わり、ホッと一息ついてテレビに目を移したら、市川海老蔵さんが登場して語り始めた。「麻央が癌になってから、完璧な(?)精神状態で舞台に立つことは難しくなった」というような内容を語っておられたと記憶している。
そこで、一体これは何の番組なんだ?と、腰を落ち着けて見続けると、
癌は若い世代では女性の方がなりやすく、そのために、結婚している家族の間では、癌で闘病生活を余儀なくされた配偶者を支えるために、働き盛りのご主人が仕事と家事や育児などの両立に苦労されている。男の老親介護と同じような問題が発生して、孤立化して肉体的な疲労だけではなく精神的ストレスをため込む事態に陥りがちになっている
というような話だった。
そういう番組コンセプトで、市川海老蔵さんを初めとして、奥様が癌で闘病している若い世代のご主人たちが登場して、いろいろな苦労や不安、悩みなどを語り、それの解決にむけた取り組みなどを紹介していたように記憶している。
恥ずかしい話だが、私は「癌は患者数も男性の方が多いから、男性の方がなりやすい」のだとばかり思い込んでいて、若い世代では女性の方が癌になりやすいのだとは知らなかった。(((^^;)
番組では「若い世代では女性の方が癌になりやすい」ことを示すグラフも提示されていたので、それをもう少し詳しく見てみたいと思った。
いったい何歳ぐらいから何歳ぐらいまで、女性の癌患者が男性を上回り、男性と比較すればどのくらい女性の癌患者数が多いのか。若い世代で女性が多いということは、女性生殖器(乳房・子宮・卵巣)が癌に侵される率が高いということだろうとは推測できるが、それらの器官での癌の発生と女性ホルモンとは何らかの関係があるのだろうか?とか、様々が疑問が沸いてきた。
私は膠原病患者(SLE)で、癌のことはよく知らなかった。
30数年前にSLE(全身性エリテマトーデス)を宣告された時に医師に「SLEとはどんな病気ですか?」と尋ねたら、「癌より怖い病気です」と言われて怖気づいた記憶がある。当時、「世の中で癌が一番怖い病気だ」と思っていたので、その癌よりSLEが怖い病気だなんて言われて、小心な私はその後9年間ほど沈没してしまった。(((^^;)
確かに当時、SLEの5年生存率は75~80%ぐらいだったから、今の癌の生存率とよく似ているかもしれない。
しかし、その後、義父が大腸がん、父が胃がん、母が悪性リンパ腫と次々に癌と闘う余生を送らなければならなくなり、その介護を通して少しずつ癌の闘病ブログなどを読み始めるうちに「やっぱり癌ほど怖い病気はないなあ」と認識を新たにしたのだったが、やはり当事者ではないので、どうしても、癌に対して無知であることは否めない。
1ヶ月前だったか2か月前だったか記憶は定かではないが、NHKのニュースで「2016年度の癌患者の死亡数の統計が出た。残念がら、目標としていた数は達成できなかった。2015年度の癌による死亡数より増えている」というような内容を聴いた時もアレ?っと思ったものだった。
先進的治療や新しい抗がん剤の開発などによって癌の治療成績が上がり、生存率も高まっていると聞いていたから、当然死亡数は前年度より減っているのだとばかり思っていたからだ。(((^^;)
これも詳しく聴いてみると、高齢化社会の影響で、高齢者の癌患者が増えているので、死亡数が増加したのだということで、なるほどと納得したのだった。
2人に1人の割合で癌になる時代だと聞いている。高齢になるほど癌になりやすいとも聞いている。男性ほど癌になりやすいとも聞いていた。そういう先入観だったから、「癌の罹患率・有病数は若い世代では女性の方が高い」というニュースに驚いたのだった。(((^^;)
そこで、テレビで見た年齢別の癌患者数のグラフがないかどうか、ネットを調べてみた。
「グラフデータベース」を利用すれば、様々なグラフがカスタマイズできる。
これを使って、自分が知りたいと思っていたグラフを作成してみた。
「2010年の年齢階級男女別罹患率(高精度地域)」
「高精度地域がん登録のがん罹患データは、年次推移の検討を目的として、宮城・山形・福井・長崎の4県のデータを合わせて、実測値として集計したものである。これらの4県の地域がん登録は、長期的に登録精度が高く安定しているため、登録精度の変化が罹患率の増減に及ぼす影響が小さいと考えられる。また、主要な部位のがんの増減について、これら4県を合わせたデータの日本全体への代表性が確認されている。なお、宮城県のデータがシステム移行のため、山形・福井・長崎の3県のデータを合わせて実測値として集計したものを暫定的に用いている。これら3県のデータと4県のデータの相関は十分に高いことが確認されている。」
さらに
「最新がん統計」には「2012年度の年齢階級男女別罹患率」のグラフが「4)がん罹患率~年齢による変化」という題で提示されていた。
さらに、「全国がん罹患数・死亡数・有病数将来推計値(2010~2029年)」の集計表から、エクセルの抽出で自分が欲しいデータだけを抽出して、2つグラフを作成してみた。
2010-2014年の年齢階級男女別がん罹患数推計(年平均)
2010-2014年の年齢階級男女別5年有病数推計(年平均)
有病数とは「有病数の定義: 過去5年以内にがんと診断され、推計対象年に生存している者の数(5年有病数)」と元ファイルに書いてある。
若い年齢層では罹患数も有病数も、女性は男性の倍近くになっているのに驚いた。
私の年齢で一番関係のあるのは、次の統計表かな。(((^^;)
これを見ると、癌とは高齢者の病気だということが一目瞭然で、もう諦めの気持ちが先立つ。(((^^;)
それだけに若くして癌になられた方々のお気持ちを考えると、悲しくて胸が痛む。
最後に貴重な統計を見せていただいたことに感謝して、アンケートに協力して、このページをお気に入りに登録。
勉強になりました。ありがとうございます。<m(__)m>