中央アジアの南東部に位置するキルギス共和国に実在し、独立後初めて発行された紙幣にその肖像が印刷されたクルマンジャン・ダトカ(1811-1907)の生涯を描いた映画。
*クルマンジャン・ダトカの肖像が入ったキルギスの紙幣。
山嶺(さんれい)の女王 クルマンジャン(Kurmanjan Datka Queen of the Mountains)トレーラー*You tube FocusonAsiaさんより
18~19世紀、キルギスタン南部のアライ高原の遊牧民部族連合を支配していたのはコーカド・ハン国だった。クルマンジャンは1811年にこの中の一つの部族に生まれ、親の決めた”自分の意に沿わぬ結婚”から逃げ帰るほどの行動力溢れる聡明な女性。
部族の指導者アルムベクが彼女を見初めて、彼と再婚する。アルムベクは彼女に、部族がコーカド・ハン国から独立して、自分たちの国を建てる夢を語る。夫が地元不在の際には、聡明な部族指導者として次第に頭角を現すようになる。
アルムベクはその志をコーカド・ハン国に悟られ、殺されてしまう。コーカド・ハン国に口出ししていた隣のブハラ・アミール国はクルマンジャンの聡明さと指導力に注目して、彼女をダトカ(部族長に与えられた官職名)に任命する。
時折しもロシア帝国が南下を始め、征服を試みようとするが、彼女は部族を率いて抵抗を続ける。
やがて抵抗の無益を悟り、ロシアの宗主権を受入れるが、心の内では片時も夫の遺志を忘れず、「いつか独立」の夢を捨てないでいる。彼女の息子がロシアから死刑を宣告された時も、自分の個人的な希望や熱望で部族民を苦しめることを拒み、息子の公開処刑に立ち会う。
彼女は96歳で死ぬまで、「アライの女帝」としてキルギスの民やロシア帝国から尊敬の念を受けた。
という物語の筋よりも、映像の美しさに圧倒された!
さらに、当時の民族衣装や高原の民の生活ぶり、アライ高原の美しさ、ハン国宮廷やロシア帝国のサンクト・ペテルブルク宮廷など、歴史好き・旅好きにはもう堪えられない映画だったよぉ~!!*\(^o^)/*