2ヶ月前に購入してから、繰り返し、繰り返し。だから、「アイルランド」も止まったままで、グクも一時停止。
「シークレット・ガーデン」では、「童話」がモチーフを構成し、中でも「人魚姫」のストーリーが中心主題になっている。
ジュウォンはこの「人魚姫」を、世界初の愛人物語(だったかな?)と解釈して、ライムにこんな風に説明する。
君は「シンデレラ」ではなくて「人魚姫」だ。つまり、日蔭の身で、最後は泡となって僕の前から消えていく愛人。
この言葉を聞くと、私はジュウォンに「バカタレー!」と怒鳴り、ライムはジュウォンの頬を引っ叩く。
この「人魚姫」の部分が、韓国語音声で「in-eo gongju」 となっていることに驚いた。
最後の方で「白雪姫」、「眠れる森の美女(眠れる森の姫)」も登場するが、「白雪姫」は「baegseol gongju」、「眠れる森の美女(眠れる森の姫)」は「jamjaneun supsog-ui gongju」という音声だった。
日本語表記の「姫=princess」の意に当たる部分の韓国語音声が「gongju」になっている。
「gongju」という韓国語音声を聞くと、中国歴史ドラマの「Gōng zhǔ」漢字は「公主=princess」を思い出す。そう言えば、韓国の歴史ドラマでも「gongju」という音声で、文字は「公主」だったような気がする。
だから、韓国語の「gongju(=princess)」という語は、中国語の「Gōng zhǔ 公主=princess」からきているのだろう。
歴史的に見れば、日本と韓国(朝鮮半島)は中国文明の影響を大きく受けた周辺国になる。
日本語の「音読み熟語」などの多くは、中国語から入ってきた言葉だろう。
韓国ドラマを見ていると、韓国語と日本語で、少しだけ発音の違う「言葉」があって、驚き、親しみを覚えることがよくあるが、その多くは日本語では「音読み熟語」だ。
中国語の「公主=princess」は日本には入ってこなかったのか、入ってきたが定着しなかったのか、わからないが、日本には古来「ひめ」という言葉があった。
「ひこ」は「男の人」、「ひめ」は「女の人」を表す美称だった。だから「princess」の意味では、元々は「ひめみこ(女の御子)」を使っていたようだ。
その「ひめ」という言葉は、やがて「高貴な女人」のような意味に代わり、現在では「princess」の意味で使われるようになっている。
「ひめ」という和語(訓読み)に、日本では、中国から入ってきた漢字「姫・媛」をあてて使っている。
「姫」の音読み(中国語系発音?)は、私たちのような年代では「さらば、わが愛~覇王別姫」のように、「キ」であることを知っているが、今の常用漢字では「姫」という漢字に「キ」という音読みはない。「ひめ」という訓読みだけになっている。
「姫」という漢字はまるで日本でできた「国字」のようにも錯覚するほど、日本では「ひめ」という和語が、古代から現代に至るまで大きな力を持っている。
しかし、韓国では中国語からきた「gongju」であることを思う時、朝鮮半島が置かれた歴史的背景に思いを馳せる。
朝鮮半島は、漢の時代(?)にその半分が楽浪郡・帯方郡として中国の領土に組み入れられ、高句麗が建ってからも、常に中国からの脅威に悩まされ、いわば長い間、中国の属国のような立場に置かれていた。
一方、日本は、「属国」よりももっと下の、野蛮人の住む「蕃土」扱いだったろうが・・・。(苦笑)
だからこそ、朝鮮半島に比べると語彙の中国語侵食も少なかったのかもしれない、と思った。
そんなことをふと考えさせる、シークレット・ガーデンの「姫」と「gongju」。
ちなみに、「人魚」にあたる部分を韓国語では「in-eo」と発音しているが、日本語の「ningyo」と似ている。
「白雪」にあたる部分を韓国語では「baegseol 」と発音しているが、日本語で「白雪」を音読みすれば「hakusetu」のような音になるので、これも似ている。
「人魚」という語も「白雪」という語も、もしかしたら日本・韓国で共通して、中国から流入した熟語を使っているのかもしれないと思った。
中国や韓国は、古来より、日本にとっては「一衣帯水の国」だと思う。
隣国同士でいがみ合わないで、政治レベルでも、もっともっと仲良くしてほしい。