母が「お父さん、89歳のお誕生日、おめでとう!」と言ったら、父が大きな声で「ありがとう」と答えてくれたそうで、母は電話口でとても喜んでいた。
去年の米寿の誕生日は、大阪の病院で私が父にお祝いを言った。その時、私は、父がまさか89歳のお誕生日を迎えることができるとは思ってもいなかった。私は正直あきらめていた。
父はよく頑張って生き永らえてくれたが、この1年は、本当に苦しい・辛い・寂しい1年だったと思う。私だったら、とても堪えられないと思う。もう楽になりたいと思うだろう。
父は決して弱音を吐かない人だった。強靭な精神力を誇り、「気がアカンからや!」と叱るのが口癖だった。
最後の最後まで、父らしく生きている。
母が「頑張ってくれているお父さんを誇りに思う。」と言っていたが、私もそう思う。