その中で、個人的に特に興味深かった質疑応答をいくつかあげてみる。
問4:地震は頻繁にあるのでしょうか?
3回韓国に旅行に行ったことがあり、その時に現地のガイドさんに「韓国でも地震はあるのですか?」と尋ねたが、いずれも「日本と違って韓国には地震はない」という答えがかえってきた。確かに、韓国で地震があったというニュースは日本でも聞かないので、「韓国には地震がないのか・・・。活断層が走っていないのだろうか。いずれにせよ、地震がないというのは幸せなことだなあ・・・。」と羨ましく思っていた。
答:しかし、日本のように頻繁にはないが、歴史書によれば、1Cから現在まで朝鮮半島で2500余回の地震が発生し、1978年から92年までの15年間の統計でも、震度4以上の地震が全国各地で7回発生したので、全くないわけではないことを知った。ただ、日本のように頻繁ではないので、地震を体感することは日本に比べるとはるかに少ないそうだ。
問10:外来語はどのように表記されているのでしょうか?
韓流ドラマをみていると、「コーヒー」とか「アルバイト」などの外来語が会話でよく登場する。発音は日本とは少し異なるが、日本人が聞いていてもすぐ意味はわかるぐらいの発音の相違。日本語は外来語はカタカナで表記するので、文章では外来語は文字を見るだけで判別できるが、表音文字のハングルではどうなのだろう、と思っていた。
答:韓国語では、英語の発音そのままにハングルで書かれるので、ひと目みただけではそれが固有語なのか、外来語なのか区別ができず、とまどうことがある、と書かれていて、やっぱりそうか、と思った。
日本語は表意文字の漢字を使うので、漢語由来の同音異義語も文字では書き分けることができるが、表音文字のハングルをつかう韓国では文字でも区別できず、不便ではないのかと思って日本人の韓国語の先生に質問したことがある。先生の答えは、文脈の中でその音の意味を瞬時に判別できるから、全然不自由ではない、というお返事だったが、実際はどうなんだろう?
問22:韓服と胡坐には関係がありますか?
答:韓服とオンドルの使用が、韓国で立て膝や胡座での座位の習慣を発達させた、という。つまり、足首まで隠すゆったりとしたチマは、固いオンドルの床に片膝を立てて座る姿勢に向き、さらにはオンドルの床から立ち上がる暖気を逃さない保温機能をもつ。男性が正座をせずに胡座をかくのも、オンドルの床と胡座をかいても開かない韓服のためといえるそうだ。
韓国へ行っても、韓流ドラマをみていても、度肝を抜かれるのが女性の立て膝・胡座だった。日本では女性の立て膝・胡座は行儀の悪いこととしつけられるので、文化の相違とわかっても、心の中では波立つ。どうして、韓国では立て膝・胡座をかくのだろう・・と思っていたが、韓服とオンドルが関係していると聞いて、納得。