私は、魁夷の作品のどこに惹かれるのだろうか・・・
美術の専門的なことはわからないが、
「静寂」・「風景の美」・「透明な精神」などの言葉が思い浮かぶ。
平凡な風景が、特別な風景に見えてくるのは、
描かれている風景が見る者に語りかけてくるから。
『行く秋』→
独特な色彩にも惹かれる。
深みのある緑・青・黄・・・
色彩がかすかな黒み?影?を帯びているような気がする。
落ち着いていて、それでいて艶やかで、自然の生命感を感じさせる。
魁夷がドイツや北欧を旅して、西欧の風景画を描いていたことは知らなかった。↓『 晩鐘』
この『晩鐘』は、次の日訪れた北沢美術館にあった。
夕暮れの鐘・・・
今日一日を感謝して、明日の一日を主に祈る鐘の音を、どうか私の心にも響き渡らせてください。
そう祈らずにはおられないような存在感をもって、静かに私の心に対峙する。
魁夷館の展示の中に、魁夷が描いた唐招提寺の壁画の縮図があった。
これがまたすばらしいので、今度はぜひ唐招提寺へ見に行こうと心に決めて、館を後にした。