この場面でのハナは、善意からとは言え、まるでお節介な"母親"のように、私には思える。(苦笑)
ハナは、休みなく、あれやらこれやら、口やかましく、ソジンの世話を焼く。
嬉しいけれど、今は構わないで、ただただ一人にしておいて欲しい・・・。
静かにして、気を休めたい・・・。
ソジンは、次第にそんな気持ちになっていったのではないだろうか。
ハナに「(飲み物を)そこに置いて、出て行ってくれ」と、ソジンが言うと
ある意味では、ハナのこの指摘は、今回のことだけでなく、ソジンがDIDになった原因を指しているとも言えよう。
だから、ハナの「夕食は食べたか?おかゆは好きか?」とか尋ねる言葉を聞きながら、彼は頭の中では、DIDが治療され、良くなるという希望が絶望に変わった現実を思いだして、心の中で、こうつぶやく。
ワンダーランドから夢や愛をもらって、自分ももう少し、幸せになってみたい。ハナさんのおかげで犯人も捕まり、これでカン博士を探し出したら、自分の人生を取り戻せるかもしれない。そしたら、ハナさんに「好きだ」と告白して・・・と、自分の人生に明るい希望を持ち始めていただけに、また奈落の底に突き落とされたショックが大きくて、このままハナが側にいたら、また自分はハナを突き放すような暴言をはいてハナを傷つけてしまうかもしれない・・・と案じたのだろうか。それとも、もう希望はないのだから、本気で突き放そうと思ったのだろうか。それとも・・・。
と、頼み、ソジンはドアを開ける。