夫や義妹が別々に祝ってくれるそうだが、もうこのまま、時が止まってほしいような気持ちになる。
30年前にSLEを発病した時、とても還暦まで生きられようとは思わなかった。
あの時は、当時1歳半だった娘の成人式まで何とか生き延びることが願いだった。
一緒に入院していた同病の友は、一人を除いて、みな子どもたちが成人式を迎える前に先立ってしまったから、私は何と幸運な人生を送らせていただいたことかと感謝しなければならないのに、還暦という、人生の特別の誕生日を迎えて一区切りをつけた後が「老後」だと思うと、気が滅入ってくるのだ。
レアジョブ英語のフィリピン人の先生に「フィリピンでも特別の誕生日があるのか?」と聞いてみたら、50歳の誕生日がGolden Yearという特別な誕生日になるそうだ。フィリピンでは50歳が人生の一区切りということか。
父や母は還暦を迎えた時、どんな気持ちだったのだろうと思う。
私は、父や母に服をプレゼントしたようだ。
というのは、私は忘れていて、母が死ぬ少し前に、私にそう教えてくれた。
この服は、あんたが還暦祝いにプレゼントしてくれたんやで~と。
還暦を迎える前に、義父母や両親の介護・看送りを終えてしまって、何か目標を無くしてしまったような気持ちになっているのも事実。それが、いろいろとしょうもないことを考えることになってしまうのかもしれない。