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ステロイド剤と2人3脚の全身性エリテマトーデス(SLE)患者の " 猪突猛進、横道うろうろ "人生備忘録:落ちこぼれクリスチャンが心を入れ替えて(- -;)学ぶ日々の「御言葉」と、スペイン語の勉強、SLEの病状などの日々のささやかな記録・・・というのが当初の自己紹介でしたが、今は、単に「日々生きて、夢中になった事ごとの記録」(((^^;)


by dande550213
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紅山雪夫氏の『ヨーロッパものしり紀行』<建築・美術工芸編>


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紅山雪夫氏の『ヨーロッパものしり紀行』<建築・美術工芸編>を読んで、初めてわかった。

なぜ、ロンドンの大英博物館やナショナル・ギャラリー、パリのパンティオン、ベルリンの「博物館の島の建築群」やブランデンブルク門、ミュンヘンの古代美術館などが、あのようなギリシア・ローマ風の建物として建築されたのか。
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私は、「なんや~?ギリシア・ローマ建築の真似やんか!近代にもなって、なぜ、こんな真似するのん?大仰な建物やなあ・・・」と思って見ていた。


アテネの、今は古代アゴラ博物館として使われている建物が、ギリシア時代は「アッタロスのストア」と言われた建物を復元したものだとは、この本を読むまで、知らなかった。
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この「ストア」をコの字形にして高屋根をつけたのがローマのバジリカ様式にと発展し、さらにこれにアプス(半円形の出っ張り)を付けてキリスト教の教会建築に受け継がれたことなど、ヨーロッパにおける建築や美術の具体的な流れがよくわからないままに、その建物を人間が作り出す「時代の流行」という大きな流れの中に位置づけてみることをしなかった。


私の海外旅行、特にヨーロッパに対する一番の興味は、日本では発展しなかった「城と城壁都市、城壁都市の名残りともいう旧市街」で、時代的にいえば「中世」に興味があった。それ以外の時代については教科書的な知識しかなかった。

建築様式の変遷を表す用語に、バジリカ式、ロマネスク式、ゴシック式、バロック式、ロココ式があるのは知っていたが、他にルネサンス式と第2クラシック式というギリシア・ローマ時代に範を求めた様式があり、第2クラシック式が盛りを過ぎると、一つの様式が全ヨーロッパを風靡するというような時代が終わり、今の鉄とガラスの個性的で斬新なスタイルをもつ建築が次々に生み出されてきたのだ、というような意識をもって、観光に訪れたヨーロッパの建築群を眺めたことは無かったので、今から思えば、宝の山を目の前にして、もったいないことをしたと後悔している。

その時代の風潮が、その時代の文学、建物、美術、服装などに「新たな流行」を生み出すのだ。

先ほどの大英博物館を初めとするギリシア・ローマ風の建物は、資本主義と近代国家が勃興する時代の新しい要求に応じた建築様式だったのだ。これらの建物が建造された時代は、前の時代のバロックを悪趣味として否定し、ロココは退廃的な官能趣味と退けて、調和のとれた力強い美しさを理想する古典主義の風潮が起こり、ギリシア・ローマ風の均整のとれたデザインで壮大な規模にすることが権威の象徴と意識され、そのような建築様式が「流行った」結果、あのような一群の建物が建てられたのだと、ようやくわかった。


紅山雪夫氏の『ヨーロッパものしり紀行』<建築・美術工芸編>を初めとする一連のシリーズは、氏がガイドとして長年ヨーロッパを歩きまわられた経験をもとにして、観光に訪れる者の視点に立って、ヨーロッパを旅する魅力をあますところなく伝えてくれる旅の良書だと思う。
by dande550213 | 2014-12-21 08:00 | 旅行 | Comments(0)