大人になって、壮年期を終えようとする頃、両親の介護を通して話し合うことも多くなり、次第に互いの性格の違いを、私は意識するようになった。
私は父親似で、妹は母親似、弟はその中間のような気がする。
一例をあげると、父は何でもきっちりとつめる性格。論理的とかいうのではなく、物事や出来事などに関して、漏れがないか一つ一つきっちり点検して準備する。そういう人だから、大切な話では事実と伝聞と推測を区別して話すから、私は父との会話ではストレスを感じない。私もそういうタイプ。だから、私と父はけっこう他人から煩がられる。
母と妹は、どのような話でも事実と伝聞と推測の別を意識しないようで、私はいちいち文の主語を聞いて、この話は、事実を伝えているのか、自分の推測で言っているのか、それとも誰かの話の伝聞(受け売り)なのだろうか・・・と、うるさく確かめることに、頭を悩ます。
今回の母の病気に関して言えば、診察日が木曜日だったので妹に母の診察に付き添ってもらい、彼女から報告を受けて、対処方法を相談していた。
彼女の報告は、これは主治医の話、これは自分の推測という意識がないので、後で右往左往することになった。
例えば、母の病状で、妹は「母はすでに脾臓に転移しているらしい」と報告した。私は、主治医の先生が妹にそう言われたのだろうと思っていたら、妹の勝手な推測だった。
転院に関しても、「当日入院できる」というので、そう思っていたら、「当日入院できるに違いないだろう」という妹の推測だった。弟が確認してくれと言い、妹は確認をイヤがり、結局、私が地域連携係や母の主治医に直接電話して確認を取ったら、当日は外来診察だけで、その後入院するかどうかはその後の話です、と言われて、あわてて転院先病院の近くに宿を探すことになった。
妹にしたら、「姉ちゃんはいちいちしゃしゃり出て、細かく指示する」と思うだろうが、病気の母を抱えて路頭に迷うような事態に陥りたくないという「心配症のおせっかい」から、ついさし出てしまうのだ。
父の介護の時の約束通り、母の時は妹と弟が中心になって看てくれるものと期待している。私は裏方に徹して手助けするつもりだが、なかなか難しい。(^-^;)