最初のうちは、一日2回、父に会いに行っていたが、だいぶ慣れてきたかな・・・と思った頃に、「もう新聞は持って来なくてよい」と父が言い出したので、今は一日一回夕方の1、2時間ほどを施設で父と一緒に過ごしている。
父は心配事を次々と作って、心落ち着かない日々を送っている。
最初は、「体重が減る」が心配事。
15年ほど前の癌の再発・転移を疑っているのだろう。週に2回の入浴時の体重測定の値に一喜一憂し、しまいに介護員が嘘の体重測定値を告げると疑いだす。
それがようやく落ち着いたかと思うと、今度は「便が出ない」が心配事になる。
実際はちゃんと一日1、2回排便があるのだが、それを忘れるのか、それとも排便した爽快感がないのか、出ない、出ないと騒ぎ、下剤を欲しがり、便の実質(?)を作るために、バナナやパン、ヨーグルトを私に買ってこさせて大量に食べる日々が続く。おかげでカロリーオーバーで糖尿病になり、今では、持ち込み食事はすべて禁止になった。
排便チェック表を作成して、父に排便の有無を確認して心配のないことを納得してもらうようにして、ほっと一息つく間もなく、今度は「不眠」が心配事になる。
神経因性膀胱で、夜の排尿が1、2時間おき。確かにこれでは睡眠不足になるから、「眠かったら、昼間お昼寝したら良い」と勧めたら、最近はお昼寝しているようだが、睡眠薬も再開している。
そして今の心配事は、「肩が痛い」。外科で診察して欲しいというが、「リハビリ頑張りすぎのただの使い痛み」だから、痛みがあるときはリハビリを加減するように忠告するが、本人は薬で一発に治るはずだと思い込み、薬を欲しがる。
薬は、もう今までにあまりにもたくさん服用していて、コチラに来た時の最初の血液検査で肝臓の検査値の悪化が告げられたほどだから、もうこれ以上、薬を増やすことができない・・・という現状を、父はなかなか理解できない。
往診医の先生が、不要な薬を探し出して、少しずつ減らしていって2ヶ月、ようやく肝臓の検査値がほぼ正常値に改善された。
後は、糖尿病の検査値。父の食事制限の努力が報われるかどうかは、来月のお楽しみ。
心筋梗塞とパーキンソン症候群と神経因性膀胱、頭部には前がん状態のメラノーマがポツポツとあるが、これは父には内緒。
プラス老化。
後4ヶ月で、88歳になる父。
最後の日まで、どうか心穏やかに過ごしてほしいと願っている。