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『不安を取り除いてくれた"手作りの療養の手引き"』
(雑誌『クリニカルスタディ '87-8 』)
全身性エリテマトーデス(SLE)の診断後、即入院、プレドニン60㎎を服用していたころ、私は病気の性質やステロイドの副作用を詳しく知らされないままに治療を受けていることが不安でたまりませんでした。治療内容について、患者が口をはさむことはできないけれど、"病気の再発と薬の副作用の予防"という観点から、患者が主体的にできることがあることを知り、それを実行することが治療の一助になると考えていました。医師や看護婦にそれを尋ねてみましたが、断片的な回答しか得られず、私は焦っていました。
そんなとき、偶然、SLEの患者さんが緊急入院され、その方から20年にわたる辛い闘病生活の様子を聞いた私は、びどく動揺してしまいました。その方も、私がその方の姿に自分の予後を重ねて悲観し、闘病意欲を薄ないかけているのを敏感に感じ取られたのでしょう。ある日、「今、これを看護学生から実習の御礼にともらったけれど、私はこの病気に関してはベテランだから、あなたにあげる。」と、6枚のレポート用紙を手渡してくれました。
見ると、"SLEを悪化させる因子とその因子に対する予防対策・ステロイド剤内服で考えられる副作用と予防のための注意点・ステロイド剤内服についての注意事項"が詳細に、かわいいイラスト入りで書かれていました。そして、「このことを注意していくと、SLEの症状はある程度まで落ち着かせることができます。自分自身でできるだけ注意していくようにしましょう。」と結ばれていました。
一読して、「私が求めていた回答はこれだ。」と思いました。
頂戴するのは申し訳ないので、コピーをとらせていただき、何回も読み返しました。読むうちに、私の予後の良し悪しの少なくとも半分は私の生活態度如何にかかっている、それならば、その部分は自分自身の力でしっかりとコントロールできるようにがんばろう、と決心しました。
以後、私はこのコピーを療養の手引きとして、自分の生活をチェックし、常に初心に戻るように心がけています。
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※この文章は、膠原病友の会の関西ブロックの「患者が教壇に立つ活動」で、1987年4月に教壇に立って語った内容をきっかけに、確か、菊池さんからテーマをいただいて書いた文章です。ほぼ同じ内容を後でまとめた闘病記にも収録しています。
発病2年目の"私の不安、焦燥感、絶望感と、その後の必死のがんばり"が読み取れます。
当時、私は不思議に感じていました。一緒に入院していた同病の友の多くが、私のように切実な"不安、焦燥感、絶望感"を感じていないように見えることを・・・。
イスラエルの旅は、脳梗塞後初めての海外旅行でしたが、無事帰国されて本当にうれしいです。
奥様が元看護師さんで、プロの目でいつも温かく見守っておられます。
ブログに、イスラエルの旅の思い出をまとめていらっしゃいますので、どうか引き続きご愛読くださいね。
確かに発病して数年の頃の意識と今の意識が違います。
周りに対しての自分の目も…。
当初は絶望していた感がありますが今はやっと少しだけ「病気だからと言って夢や希望まで捨てないで、もう一度、自分のための人生を生きるようにがんばってみよう、という想い」が沸いてきたかと思ったら再び落ち込んだり…。この先どんなご計画があるかは知る由もありませんが、dandeさんの証が私の励みになっています。有難うございます。
あなたのブログを読む度に、タイムスリップしてしまいます。
私はもう過去に戻ってやり直すことはできませんが、未来が広がっています。
その未来を信じて、最後まで自分らしく生き続けようと願っています。これからもよろしくね!