SLEも23年目を迎えて、最近は膠原病友の会の機関紙を熟読することが少なく無くなっていたが、
昨夜眠れぬままに読んだ「全国膠原病友の会関西ブロック 明日への道」のある記事に考えさせられた。
<専門医登場>のコーナー
「ステロイド骨粗鬆症について」(神戸大学病院 免疫内科・検査部の河野誠司先生)の記事。
SLEの患者が治療のために服用するステロイドの合併症の中で、
圧倒的に頻度が高いのが「骨粗鬆症」だといわれる。
積算量(長い間に多く飲んだ場合)が多くても、
高用量(一度に多く飲んだ場合)の場合でも、
パルス療法(超大量を1~3日間点滴した場合)でも、
一番危険度が高いのが「骨粗鬆症」だという。
さらに怖いのは、ステロイドの副作用による「骨粗鬆症」には、
その値を超えなければ、期待あるいは心配していることが起こらない目安の値(閾値)がない
と考えられていることだ。
つまり、どれくらいの量を飲んだらなりやすいか、というような次元の問題ではなく、
わずかな量を飲んだだけでも、骨折のリスクの右肩上がりが始まるのだそうだ。
先生のご意見は、
「3ヶ月以上にわたってプレドニゾロン換算で一日5mg以上を使う人は、
骨密度が80%以下に下がっていなくて骨粗鬆症治療を始める必要がありますよ。」
というものだった。
私は23年間にわたりステロイドを服用し続けている。
さらに、その量は、全期間を通じて一度も5mgにまで下がったことはなく、
最近ようように6mgになったばかりの高リスク患者。
永年のステロイド服用にも関わらず、骨密度は100%近くあるので今まで安心していたが、
骨の強度は骨密度だけでは正確なことはわからず、
骨質(骨塩量)と合わせて考える必要があるのだという箇所を読んで、数年前を思い出した。
何年か前に、股関節が痛い時、骨塩量を測定したことがあった。
その時の主治医の話では、骨塩量は異常無しということだったが、
その頃からか、あるいはもっと以前からだったか、よく覚えていないが、
以来、活性型ビタミンD3剤を服用しているから、
私にはすでにBランクの骨粗鬆症治療が始められていたのだと思い至った。
さらに、以前から不思議に思っていることがあった。
それは、SLEになってステロイドを服用しだしてから、
この20年近くの間に身長が2.5cmほど縮まっているということだ。
河野先生は、このように身長が縮むのは、
気がつかないうちに脊椎圧迫骨折をしている可能性があるといわれる。
このことばで、昨年の人間ドックで肺のレントゲンを撮影したときの技師さんのことばを思い出した。
あの時、検査技師さんは私に「背中が少し曲がっていますね。老化現象でしょう。」と言われた。
その時は、「まさか?嘘でしょう」と思ったが、
机に座ってPCばかりしているので姿勢が悪くなっているのかしら?と、聞き流していた。
また、こんな会話も思い出した。
この人間ドック検診よりももっと前、SLE闘病初期の頃のこと。
保健所での受給証更新の際の保健婦さんの
「少し姿勢が悪いですねえ。気をつけてくださいね。」という一言。
この時も、自分は常々夫より姿勢が良いのを自慢していたぐらいだから、
保健婦さんの言葉が信じられず、気にも留めなかったが、
発病初期からステロイドを大量に永年服用している私は、
もしかしたらその頃から脊椎圧迫骨折をしていた可能性があったことに、今ようやく思い至った。
もしそうだとしたら悲しいけれど、これがステロイド服用患者の宿命・現実なのだから、受け入れるしかない。
河野先生のご研究ではBランクの治療法はあまり効き目がないので、
ビス剤服用のAランクの治療を最初から受ける方が良いとのこと。
同病の友の中には、すでにビス剤を服用している人もいる。
私も、次回の診察のときにこの記事を持っていって、主治医と相談してみようと思う。